ヒトの心理は面白い!ちょっと賢くなれる行動経済学の本5選
行動経済学はとても面白い学問で、初心者にもとっつきやすいのが大きな特徴です。
たとえば身の回りの値段や商品の並べ方、商品の見せ方など普通に生活してるだけじゃ気づかない仕組みについて気づき、深く理解することができます。
- 1,000円のモノと2,000円のモノだと1,000円の方が売れていくが、3,000円のものをダミーで用意すると、なぜか2,000円のものが売れていく。
- 「ビタミンCが1g配合」ではなく「1,000mg配合」と表記する方がたくさん入っているように見える。
などなど、世の中には当たり前だと思っていることにも実は売れるように工夫された例がたくさんあります。
行動経済学を学ぶことによって、商売やマーケティングの裏にある仕組みを学ぶことができます。
そこで今回は読んで良かった、学びになった行動経済学に関する本を5冊紹介したいと思います。
- 1.『その科学が成功を決める』著:リチャード・ワイズマン 訳:木村博江
- 2.『行動経済学の逆襲 上・下』著:リチャード・セイラー 訳:遠藤真美
- 3.『予想どおりに不合理』著:ダン・アリエリー 訳:熊谷淳子
- 4.『ファスト&スロー』著:ダニエル・カーネマン 訳:村井章子
- 5.『残酷すぎる成功法則』著:エリック・バーガー 訳:橘玲
1.『その科学が成功を決める』著:リチャード・ワイズマン 訳:木村博江
「成功する自分をイメージするのは逆効果」
「集団で何かを考えることは1人で考えるよりも創造性に欠ける」
など巷に溢れる自己啓発法について、実験を元に検証してみたという内容です。
特に以下の3つはオススメです。
「なぜ二の腕に少し触れるだけで好感度が上がるのか」
「人気を集めるのは意表を突く言葉」
「お客の抵抗力を奪うセールステクニック」
2.『行動経済学の逆襲 上・下』著:リチャード・セイラー 訳:遠藤真美
A:6歳の女の子がクリスマスまで寿命を延ばす手術をするのに何千ドルもかかる。
B:病院設備が老朽化しており、売上税がないと救える命が減ってしまう。
どちらの方に募金は集まりやすいかというと、Aの方です。
人は「統計上の命」よりも「顔が見える個人の命」の方が重要だと感じます。
このように合理的だと思われてきた人間の行動が実は不合理な面もあると、様々な実験を用いて検証されています。
3.『予想どおりに不合理』著:ダン・アリエリー 訳:熊谷淳子
人間の行動は不合理です。
しかしそんな不合理な行動も予想はできます。
予想ができるのであればいままで続かなかったダイエットだって工夫次第で、続けられるようになります。
不合理な行動とは例えば、
A:ゲーム機が10,500円→10,000円に値下げ
B:10,500円のゲーム機に今なら「スタバの300円無料券」がついてくる
どちらの方が売れるかといえばBの方です。
しかし実際トクをするのはAの方です。
ならば、なぜ人はより得になる方を選ばないのか?
本書ではこのような不合理な行動について解説されています。
4.『ファスト&スロー』著:ダニエル・カーネマン 訳:村井章子
この本は名著中の名著ですが、名著というだけにちょっと難しいです。
結構考えて読まないと理解できません。
ですが理解できたとき、人の心理について人一倍理解できているはずです。
「この結婚は長続きしないだろうという予感がしていたが、結局私はまちがっていた」
というような文章にはめったにお目にかからない。
人は過去を理解していて、未来を予想できると思い込んでしまいます。
過去から予想できる未来がストーリーとして心地よいものであればあるほど、予想を深く信じてしまいます。
さらにニュースやメディアでは予想が当たったときにだけ大きく報道されるため、人の記憶には「最初の直感は当たる」といった間違った思い込みが刻まれることになります。
10年前の東日本大地震から今回のコロナのように「10年に一度大きな災害が来る」といった思い込みも同じです。
災害が起きることは誰にも予想できないため、10年ごとに災害が起きるという事象はたまたまでしかありません。
本書では、このような間違った思い込みや認識について新たな知見を提供してくれます。
5.『残酷すぎる成功法則』著:エリック・バーガー 訳:橘玲
本書のテーマは「成功」です。ただの自己啓発本だと思って読んだのですが思ったより科学的だったので紹介します。
本書では「成功者は学校の成績が悪かった」ことや「成功者は内向的な人も多い」など、成功者についての間違った認識を科学的に検証しています
ほかにも「共感で犯罪者を無抵抗にする」や「困難を乗り越える人に共通した心理」などどれも目新しく、面白い内容が満載です。
一部紹介すると、「困難を乗り越える人に共通した心理」とは「あともうちょっと」の精神です。
山で遭難したが助かった人の多くは、心の中で「あと少しだけ頑張ろう」という精神を何百回も繰り返して徐々に行動し救助されました。
このように成功者のマインドや間違った思い込みを修正することができる本となっています。