おこエコ経済論

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あなたの1万円はどこから?心理会計を学んで無駄遣いを無くすには

1万円の価値は人によって違います。

 

A:明日のご飯も買えないほどの貧乏大学生にとっての1万円

B:1億円の資産があるお金持ちにとっての1万円

 

両者にとって1万円の価値は天と地ほどの差があります。

Aにとって1万円は何としてでも手に入れたい1万円です。

Bにとって1万円はただの小銭です。凡人にとっての100円ぐらいの価値しかありません。

ここまでは理解できます。

 

次に、同じ人でも「時と場合」によっては1万円の価値が変わる場合があります。

 

A:偶然拾った1万円

B:汗水たらして稼いだ渾身の1万円

 

Aは偶然拾った1万円なので無駄遣いオブ無駄遣い、「ラッキー」と思って友達におごったり、おいしいモノを食べたりしてあっという間になくなるでしょう。

Bは頑張って働いてやっと手に入れた1万円なので、無駄遣いはしません。貯金か、あるいは大切なもののために使うはずです。

 

このように同じ人であっても、状況や背景によって1万円の価値は変動することがあります。これを経済学では「心理会計」と言います。

今回は「心理会計」について学んで行きたいと思います。

 

 

心理会計の具体例

心理会計とは「同じ金額でも使う目的や、稼いだ理由によってお金の重要度が変わってしまう現象」のことを言います。

冒頭でも述べたように、同じ1万円でも状況によって価値が変わっています。

他にも身の回りのあらゆる場所でこの心理会計を見ることができます。

 

例① 旅行先で木刀や全く意味のないモノを買ってしまう

修学旅行で木刀を買ったり、お祭りで光る剣を買ったりして無駄遣いした経験はないでしょうか。

普段なら10円、20円でも安い卵を買おうとするのに、旅行先やお祭りなどでは気が大きくなって、無駄遣いしてしまいます。

 

この理由は「非日常性」と「集団心理」が大きな原因となりますが、一旦置いておきましょう。

 

例② 宝くじで大金を当てた人が破産する

16歳の若さで190万ポンド(約3億6,000万円)を当てたカリー・ロジャースさん。

若くして宝くじを当て、大金を手に入れましたが、

  • 55万ポンドで家を4件購入
  • 26万5,000ポンドで車や贈り物
  • 45万ポンドでブランド物の服やパーティー豊胸手術

などなど、あっという間に全財産を使い切ってしまいました。

恋人の逮捕や自殺未遂などあいまって、現在では清掃業を3つ掛け持ち、破産の一歩手前まで行ってしまいました。

 

一見、「宝くじを当てたら人生楽勝でしょ?」と思うかもしれません。

ですが、実際は自分の器を超えたお金を手に入れてしまうと扱いきれず、無駄遣いを極めてしまいます。

このように、偶然手に入れたお金は使っても損をしないという心理に陥ってしまいます。

 

心理会計を理解して無駄遣いを減らすには

心理会計はどんな人でもどんな状況でも人の心に左右してしまいます。

なるべく無駄遣いをせずに、お金を守る方法を考えましょう。

 

お金の防衛策①:給料はまず「生活費」や「娯楽費」などに分ける

「貯金 方法」と調べればまず一番に出てくる方法です。

基本中の基本らしいのですが、筆者は全くもってしていません。

なぜなら「無駄遣いが大好き」だからです。

説得力無いですね、すみません。

 

しかしこの方法は確かに効果的だと思います。

筆者が貧乏大学生だったころ、バイトを3つ掛け持ちしていました。

その理由は、気合で在学中に学費を払うためで、何としてでも「在学中に全部払いきるんだ」という思いから死に物狂いで働いていました。

 

その頃は「学費用」と「生活費用」と「遊ぶ用」に分け、別々で口座を分けて管理していました。

「遊ぶ用」には毎月5千円ぐらいしか置いておけませんでしたが、それでもなんとか学費を払いきり、白髪は増えましたが大した病気をすることなく卒業することができました。

 

このように用途によって収入を分けておくことは、心理会計で無駄遣いをしないために有効だとそのとき感じました。

 

お金の防衛策②:現金で払う

クレジットカードは偉大です。

魔法のカードです。

魔法のカードを見せるだけで簡単に欲しいものが手に入ります。

 

ですが1か月後は地獄です。

気づいたら10万円を超えてることもざらです。

クレジットカードを使うことで、人は現金よりも1.7倍も多くお金を消費してしまうという研究があるくらいです。

(出所 日本クレジットカード協会「現金とクレジットカード間の購入単価格差に関する調査」)

 

特にタクシーでは2.06倍、雑貨や文具に至っては2.54倍も現金より多く使ってしまう傾向があるそうです。

 

このように支払い方法一つでも心理会計が作用し、無駄遣いを誘発してきます。

そのための防衛策はもうクレジットカードを使わないしか方法はありません。

クレジットカードを使うとポイントが貯まるのも、結局人はそれ以上にお金を使ってるので損としか言わざるを得ませんね。

 

まとめ

  • 人はお金の使い方や、稼いだ理由によってその価値が変わってしまう。
  • どれだけ大金を手に入れても、それに見合った器がなければすぐに失ってしまう。
  • クレジットカードは1.7倍現金より浪費してしまう。