【勉強法】社会人でも使える最強の記憶法『記憶の宮殿』とは?
『記憶の宮殿』という記憶法はご存じでしょうか?
冒頭から記憶、記憶うるさいですよね、すみません。
あんまり聞き慣れない言葉だと思います。
私も最初は「なんそれ?」と思っていましたが、知れば知るほど「もっと早めに知っておきたかった!」と思ってしまうような記憶法です。
「勉強法」で検索するとよくある、赤ペンでマーカー引いて、緑の下敷きで隠して、それを何回も見て覚えるみたいな記憶法ではありません。
『記憶の宮殿』っていうのは楽しく、多くのモノゴトを長く覚えておける記憶法です。
「おいおい、そんな記憶法なんてあんのかよぉ!兄ちゃんよぉ!おい!」
という声が聞こえてきそうですが、あります。本当です。私もビビりました。
今回はそんな謎の集団結社『記憶の宮殿』に迫り、、あ、間違えた、
謎の記憶法『記憶の宮殿』について解説していきたいと思います。
記憶の宮殿とは?
『記憶の宮殿』とは簡単に言うと、「脳内に宮殿をイメージし、その中に覚えたいモノを置いていく」という記憶法です。
別名「場所法」とか「メモリーパレス」と呼ばれたりします。
映画「羊たちの沈黙」に登場するハンニバル・レクター博士が実践していることでも有名です。
この『記憶の宮殿』は主に受験勉強で使われることが多く、日本史や生物など覚えるだけである程度点数が取れる教科で非常に効果的です。
しかし数学や物理、化学など理系科目には全く向かないので注意は必要です。
「そんな宮殿に置いていくだけで覚えられたら苦労しねぇよ、おい!」
と言われてしまいそうですが、確かに宮殿に置いていくだけで覚えられたら苦労はしません。
記憶の宮殿のコツ
そこで記憶の宮殿にはちょっとしたコツがあります。
コツというかここが一番重要ですね。
①宮殿=自分に馴染みがある場所
宮殿とはいっても、人は行ったことも見たこともない宮殿を想像するのはできません。
ここで想像してもらいたいのは、モノの配置や細かいところ(ベッドの横やテレビの前に何があるか)まで分かる空間です。
自分に一番馴染みのある空間といえば自宅だと思うので、まずは自宅の自分の部屋を詳細に(エアコンの位置や机の位置、棚の中に何が入ってるかまで)思い浮かべてください。
②置くもの=全力でふざける
置くものについてですが、これは自分の覚えたいモノですね。
例えば「1932年に五・一五事件によって犬養毅が殺害された」という出来事を覚えたいとします。
このとき単純に文字だけで「五・一五事件」「犬養毅」と置くのではなく、
たとえば、
のように少しふざけたモノに置き換えて自分の部屋に置いていきます。
※「551」の豚まんを逆さまにしてるのは「五・一五」の「一五」が逆だからです
置くモノについては面白ければ面白いだけ記憶に残ります。
めちゃくちゃふざけましょう。
③立体的に想像する
この記憶の宮殿を受験生のとき愛用しまくっていたんですが、なぜか忘れてしまうってことがちょくちょく起きてたんですね。
この完全無欠の『記憶の宮殿』に欠点などないと思っていたんですが、欠点がありました。
それは、「覚えるものが大量になるとテキトーに想像してしまう」ということでした。
こりゃいけない。
想像がテキトーになるとやっぱり覚えられないですし、置いたモノがごちゃごちゃってしまうんですよね。
そこで私が考えたのは「立体的(3D)に想像する」という技です。
テキトーに想像するのは改善しつつ、立体的に想像することでより部屋のどこに何を置いたのか覚えておくことができます。
例えば先ほどの五・一五事件、正面から見ると上記の写真通りですが、視点を変えて裏から見てみたり、上から見てみたりします。
すると部屋の中のどの位置に「551」の豚まんと犬が居るのかが、明確に把握できるようになります。
この方法を考え出したことで私は宮殿スランプから抜け出すことができました。
社会人でも使える理由
受験勉強で『記憶の宮殿』が使えるという話をしてきましたが、社会人でもこの記憶法は十分活用できます。
上記のように使える場面は結構あります。
私がよく使うのは資格勉強と数字を覚えておきたいときです。
資格勉強は受験勉強と似ているため、まあ使い方はほとんど一緒なのですが、一時的に数字を覚えておきたいときはとても役立ちます。
たとえば会社でデータの分析をしてるとき、「ちょっと長い数字を一瞬だけ覚えておきたい」なんてことがあります。
でもペンで紙に書いておくほどでもない、そんなときあらかじめ用意しておいたモノに置き換えて目の前の机に並べていきます。
短い数値の場合は「5,423(腰兄さん)」とかテキトーに覚えればいいのですが、長い数字の場合は「記憶の宮殿」を使います。
例えば、13,209,525の場合
ポッキーが太陽で溶けて、猫がボールでビリヤードをしている。碁に挟まれた猫。
のような感じでイメージしたり、机に並べたりして覚えます。
またこの技に慣れてくると、どこでも使えるスゴイ特技が生まれます。
それは「100桁の数字を3分で覚える」という技です。
100桁の数字を用意してもらい、自宅から職場までの道のりにストーリー仕立てで置いていきます。
たまに数字の前後を間違えますが、それでも「スゴイ!」と言ってもらえます。
私は100回ぐらいやってます。結構盛り上がります。
この『記憶の宮殿』は極めれば、記憶力世界チャンピオンにもなれます(実際に使わています)。
この記憶力を競う大会の場合は、数字1桁に一つのモノを置くのではなく、二桁(10から99まで)の数字全てにモノを準備しておくそうです。時間かかるわ。
余談①
余談ですが、私が高校生のときこの方法を使って大学受験の日本史Bで8割以上取れました。
高校の頃、理系のコースに進んだがゆえに日本史Bの授業を受けられなかったのですが、独学で8割取れたのはいまでも誇りです。
余談②
こちらも余談ですが、この『記憶の宮殿』の由来は古代ギリシアまで遡ります。
シモーニデースという男性が宮殿のパーティーに参加していたのですが、彼が外に出た瞬間、宮殿の天井が崩れてしまい、中にいた人々が全員つぶされてしまいます。
そこで中にいた人々の身元の調査を頼まれたシモーニデースは、どこに誰がいたか、何があったか鮮明に思い出すことができました。
そこから、この『記憶の宮殿』が誕生したと言われています。
参考
私はこの動画を見て初めて『記憶の宮殿』を知りました。
TEDの動画で20分近くありますが、見てきた中で一番鳥肌が立った動画だと思います。
またこちらの書籍もおススメです。
もうタイトルのままです。
事前に何百個もの宮殿を用意しておき、そこにひたすら覚えたいモノを並べていきます。
まとめ
- 『記憶の宮殿』は「楽しく、多くのモノゴトを長く覚えておく」ための記憶術
- 社会人でも資格勉強や数字を覚えたいときに使える
- コツは「馴染みのある場所に、クスっと笑えるようなモノや置き方で楽しく覚える」
以上が、社会人でも使える最強の記憶法『記憶の宮殿』でした。
あれ?犬養毅が殺害された事件ってなんだったっけ?